解説
【インクを使わず「光」で刻む。高速かつエコな次世代の彫刻加工】
鏡(ミラー)の角度を高速で動かすことでレーザー光を制御し、素材の表面を瞬時に焼く・削ることでデザインを表現する加工方法です。
インクや溶剤を一切使用しないため環境に優しく、また「版」を作る必要がないため、スピーディーな納品が可能です。デニムの色抜きや、革製品への刻印など、素材の質感を活かしたシックな仕上がりが魅力です。
【なぜ「高速」なのか?】
一般的なレーザー加工機がヘッド自体を機械的に移動させて加工するのに対し、ガルバノ方式は「光の反射角度」だけでレーザーの照射位置をコントロールします。物理的な移動が少ないため、驚異的なスピードで繊細な線画を描くことができます。
【ガルバノレーザーのメリット】
- 独特の風合いと高級感
インクを乗せるのではなく、素材そのものを変化(脱色・発泡・焦がし・彫刻)させるため、剥がれる心配がありません。プリントにはない、立体的で落ち着いた風合いに仕上がります。
- 環境に優しいエコ加工
インク、溶剤、版(型)、水を使用しません。廃棄物が出ないサステナブルな加工技術として注目されています。
- 圧倒的な加工スピード(線画)
複雑な模様や細かい文字の「線画」であれば、一瞬で加工が完了します。
【素材と仕上がりの色の関係】
レーザー加工の色は「焦げ色」や「素材の下地の色」となるため、インクのように色指定はできません。素材によって最適な生地色が異なります。
- 綿(コットン・デニム等)
レーザーで表面の色を飛ばす(脱色する)加工になります。そのため、濃色(黒、紺、インディゴなど)の生地の方が、加工部分とのコントラストがはっきりしてデザインが映えます。
- ポリエステル
熱で表面が溶ける、または発色する変化を利用します。素材の変化がわかりやすい白などの淡色生地、あるいは光沢の変化を楽しめる素材が適している場合があります。
※素材の配合により仕上がりが大きく異なるため、事前のテスト推奨です。
【知っておきたい注意点(デメリット)】
- 「ベタ塗り」は時間がかかる
線を描くのは得意で高速ですが、塗りつぶし(ベタ面)の面積が広いデザインは、レーザーで隙間なく焼き潰す必要があるため、加工時間が大幅にかかり、コストが割高になる場合があります。
- 加工不可の素材がある
塩ビ(PVC)系の素材は、レーザー照射により有毒ガスが発生し機器を腐食させるため、絶対に加工できません。
【こんなグッズ作成におすすめ】
- アパレル・布製品: デニム素材への柄入れ、Tシャツへのヴィンテージ風加工
- 革小物: キーケース、合皮製品への名入れ(焼印風の仕上がり)
- 硬質グッズ: 木工品(コースターや枡)、アクリルキーホルダー






