解説
【光を蓄えて、暗闇で鮮やかに発光。昼と夜で表情を変えるギミックプリント】
太陽光や蛍光灯などの光エネルギーを吸収して蓄え、暗い場所で一定時間発光する「蓄光顔料(夜光顔料)」を含んだ特殊インクを使用します。
明るい場所では白から薄い黄緑色に見えますが、照明が消えたり夜道に出たりすると、鮮やかな黄緑色(または青緑色)にボワッと光り輝きます。アパレルデザインに遊び心を加えるだけでなく、夜間の視認性を高める実用的な機能も兼ね備えたプリント技法です。
【通常のプリントとの違い】
最大の特徴は「発光ギミック」の有無です。
通常のラバーインクなどが「色を見せる」のに対し、蓄光プリントは「光を見せる」ことに特化しています。
ただし、使用できる色は蓄光顔料本来の色に限られるため、写真やフルカラーグラデーションのような表現はできません。
あくまで、暗闇で光らせたいロゴやメッセージを目立たせるための手法です。
【蓄光プリントのメリット】
- 圧倒的なインパクトとサプライズ効果
明るい場所では控えめなデザインが、暗闇で突然光り出すというギャップが魅力です。ライブハウスやクラブイベント、ハロウィンの衣装など、照明の変化があるシーンで強烈な印象を残します。
- 高い洗濯耐久性
シルクスクリーンの技法を用いて生地にしっかりとインクを固着させるため、洗濯堅牢度は非常に優秀です。繰り返し洗っても発光性能やインクの定着力は簡単には落ちず、長く楽しむことができます。
【知っておきたい特徴(重要な制約)】
- 「淡色生地」専用の加工
蓄光インクは透過性が高く、隠蔽性(下地を隠す力)がほとんどありません。
黒やネイビーなどの濃色生地にプリントすると、インクが生地の色を透過してしまい、光を十分に蓄えられず発光輝度が著しく低下します。
そのため、白やオートミールなどの明るい色の生地へのプリントに限定されます。
- デザインの細かさと素材の相性
蓄光顔料の粒子は通常のインクよりも粗く大きいため、1mm以下の細い線や、文字の隙間などはインクで潰れてしまう傾向があります。
視認性を確保するため、ある程度太くシンプルなデザインが推奨されます。
また、素材はインクの定着が良い「綿」が最適です。ポリエステル素材では、生地の染料がインクに移る「再昇華(ブリード)」のリスクがあるほか、ナイロン素材には定着しにくいため非推奨となります。
【こんなグッズ作成におすすめ】
- ライブ・イベントグッズ: 暗転した会場でロゴが光り、一体感を演出
- キッズ・防犯アイテム: 子供のTシャツやバッグに入れ、夜道の安全対策に
- ハロウィン・パーティー衣装: お化けやガイコツのモチーフを光らせて演出






