解説
【淡色ボディでも妥協しない発色。ワンランク上のデジタルプリント】
通常のインクジェットプリント(GTX)の工程に加え、淡色専用の前処理を行ってから印刷を行う加工方法です。
版を作らないデジタルプリントの手軽さはそのままに、インクの定着力を高めることで、従来のインクジェットでは難しかった「くっきりとした鮮やかな発色」を実現します。写真データの細部や、彩度の高いグラフィックデザインを、より忠実に再現したい場合に最適な手法です。
【通常のインクジェットとの決定的な違い】
最大の違いは「インクの沈み込み」と「発色の鮮明さ」です。
通常のインクジェット(淡色用)は、インクが繊維の奥まで染み込むため、生地の色と混ざり合い、どうしても仕上がりの色が沈んで暗くなりがちでした(例:ライトブルーの生地に黄色を印刷すると、少し緑がかって見えるなど)。
一方、プレミアムインクジェットは、前処理剤がインクを生地表面に留まらせる役割を果たします。これにより、インクが生地色に負けることなく、データ本来の色味を鮮明に表現します。
【プレミアムインクジェットのメリット】
- 淡色カラー生地でも色が鮮やか
これまで「色が沈むから」と敬遠されがちだったパステルカラー(ライトピンク、ライトブルー、アッシュなど)のTシャツであっても、デザインがくすむことなく、パキッとした美しい仕上がりになります。
- 白ボディでの表現力も向上
もちろん、白Tシャツへのプリントでも効果を発揮します。通常のインクジェットよりもコントラストが高まり、写真の陰影やイラストの線画がよりシャープに際立ちます。販売用グッズや、展示作品のプリントなど、クオリティを最優先したいシーンで選ばれています。
- 柔らかな風合いは維持
濃色用のホワイトインクジェットのように白インク(ラバー状の下地)を引くわけではないため、プリント部分のゴワつきは最小限です。通気性や着心地の良さを保ちながら、見た目の美しさだけを向上させています。
【知っておきたい特徴(注意点:プレス跡)】
- 前処理によるプレス跡の発生
発色を良くするための前処理剤を塗布し、熱プレスで乾燥させる工程が必須となります。
そのため、納品時にはプリント箇所の周囲に四角い「プレス跡(変色やテカリ)」が残ります。
白い生地であればほとんど目立ちませんが、色付きの淡色生地(グレーや水色など)では、跡が比較的見えやすくなる場合があります。
この跡は洗濯(水洗い)をすることで解消されますが、プレゼントや販売用として製作される際は、あらかじめ「洗濯後に着用」を促す案内を添えることをお勧めします。
【こんなグッズ作成におすすめ】
- クリエイターの販売用グッズ: 色味の再現性にこだわるイラストTシャツ
- 淡色カラーTシャツへのプリント: 生地の色に影響されず、デザインを目立たせたい場合
- 写真入りアイテム: 人物の肌の色や風景を、より鮮明に残したい記念品






