解説
【熱で膨らむ、マシュマロのような質感。「モコモコ」を楽しむ立体プリント】
熱を加えると膨らむ特殊な「発泡剤」を混ぜたインクを使用し、版（スクリーン）を通して刷り込む手法です。
加熱乾燥の工程でインクがプクッと立体的に膨らみ、まるでスポンジやマシュマロのような、柔らかく弾力のある独特の手触りに仕上がります。
通常の平面的なプリントにはない、ポップで可愛い雰囲気を演出できます。
【独特の「色味」の変化】
発泡プリント最大の特徴は、その仕上がりの色合いです。
ベースとなる発泡剤が白っぽいため、熱で膨張して体積が増えるにつれて、インクの色密度が薄まり、元のインク色よりも淡い「パステル調」の優しい色合いに変化します。
この特性により、ビビッドな原色よりも、ふんわりとした淡いカラーデザインとの相性が抜群です。
【油性発泡プリントのメリット】
- 思わず触りたくなる立体感
刺繍やワッペンとも違う、空気を含んだような丸みのある立体感が出ます。デザインに「動き」と「遊び心」をプラスしたい場合に最適です。
- ナイロン素材にも定着しやすい
通常、水性インクが苦手とするナイロン系の素材（ウィンドブレーカーなど）に対しても、発泡インクは比較的定着しやすいため、ブルゾンやジャンパーへのワンポイントとしても活用されます。
- 表面のツヤ感
水性インクのマットな質感に比べ、発泡インクは表面に独特の光沢（ツヤ）が出やすく、ポップな印象を強めます。
水性の発砲インクより膨らみが強調され、隠ぺい性も良いです。
【知っておきたい注意点（色とデザイン）】
- 色は「特色」が基本
発泡剤に顔料を混ぜて色を作るため、PANTONEやDICなどの「特色（単色）」での指定が基本です。写真やグラデーション（CMYKフルカラー）の表現には不向きで、色数の分だけ「版」が必要になります。
- 細かい線は潰れやすい
インクが立体的に膨らむため、線と線の隙間が狭いと、膨張によって埋まってしまいます。ある程度太めの線や、隙間にゆとりのある大らかなデザインが適しています。
【こんなグッズ作成におすすめ】
- キッズ・ベビー服： 動物やキャラクターをモコモコさせて可愛さを強調
- カレッジスウェット： 英字ロゴを立体的にして、古着のようなレトロポップな雰囲気に
- ナイロンジャケット： スタッフジャンパーの背中ロゴに個性をプラス
